自家焙煎」の看板を掲げるカフェ、最近よく見かけませんか?

焙煎は、緑色の生豆をあの香ばしいコーヒー豆に変える工程です。同じ豆、同じ焙煎度合いでも、どんな機械で、どう火を入れるかによって味はガラッと変わります。

この記事では、焙煎のあいだに豆に何が起きているのか、焙煎機の種類による味の違い、焙煎士がこだわっているポイントを紹介します。読み終わるころには、自家焙煎のお店に行きたくなっているはずです。

焙煎のあいだ、豆に何が起きている?

焙煎はおよそ10〜20分ほど。そのあいだに豆はこんなふうに変化していきます。

  1. 投入 温めた焙煎機に生豆を入れます。最初は薄い緑色で、青っぽい草のような匂い。
  2. 水抜き 豆の中の水分が抜けていき、色が緑から黄色へ。パンを焼くような甘い香りが立ちはじめます。
  3. 1ハゼ(いちはぜ) 「パチッ、パチッ」と豆がはじける音がします。豆の中のガスが膨らんで割れる音で、ここから一気にコーヒーらしい香りに。浅煎りはこのあたりで火を止めます。
  4. 2ハゼ(にはぜ) もう少し焼くと「ピチピチ」と細かい音に変わります。苦みとコクが強まるゾーン。深煎りはこの先まで焼きます。
  5. 煎り止め・冷却 狙った焙煎度合いになった瞬間に豆を取り出し、すぐに冷やします。数十秒の差で味が変わるので、焙煎士がいちばん集中する瞬間です。

「パチッ」という音を合図に火加減を決める。焙煎は、目と耳と鼻を全部使う作業なんです。

焙煎機は大きく3タイプ

お店で使われている焙煎機は、熱の伝え方によって大きく3つに分けられます。

直火式
穴の空いたドラムの中で、炎が豆に直接当たるタイプです。香ばしさが強く、個性的でメリハリのある味に仕上がります。その力強さを活かせる深煎りによく合います。

半熱風式
炎で温めたドラムの熱と、ドラムの中を通る熱風の両方で豆を焼くタイプです。クセが少なくバランスのよい味になり、現在いちばん普及しています。浅煎りから深煎りまで、幅広い焙煎度に対応できるのも魅力です。

熱風式
熱い風だけで豆を舞い上げながら焼くタイプです。焼きムラが少なく、すっきりとクリアな味わいになり、豆本来の風味が出やすいのが特徴。浅煎りや中煎りで、その良さが特に引き立ちます。

たとえるなら、直火式は「炭火焼き」、熱風式は「オーブン料理」。同じお肉でも焼き方で味が違うのと同じです。

お店に焙煎機が置いてあったら、どのタイプか聞いてみると会話のきっかけにもなります。

焙煎士がこだわっているポイント

機械が同じでも、焙煎士によって味は変わります。主なこだわりどころはこの3つ。

  • 火力と時間の組み立て(プロファイル) 最初に強火で一気に温めるか、じっくり時間をかけるか。同じ焙煎度合いでも、短時間なら明るく軽やか、長時間なら丸く落ち着いた味に寄ります。
  • 煎り止めのタイミング 1ハゼ・2ハゼの音、色、香りを見ながら、狙いの一瞬で止めます。お店の「味の個性」がいちばん出るところです。
  • 豆ごとの調整 産地や品種によって豆の硬さや水分量が違うため、豆ごとに焼き方を変えています。「この豆は浅めが一番おいしい」という判断こそ、焙煎士の腕の見せどころ。

家でもできる焙煎

焙煎は、実は家でも体験できます。生豆はネットや一部のコーヒー豆店で手に入ります。

  • 手網焙煎:銀杏を煎るような網に豆を入れ、コンロの上で振り続ける方法。数千円で始められ、「パチッ」というハゼの音を間近で楽しめます
  • フライパン焙煎:いちばん手軽。ただしムラが出やすいので、木べらで絶えず混ぜるのがコツ
  • 家庭用の電動焙煎機:ボタンひとつで安定した仕上がり。ハマった人の次のステップに

焙煎中はチャフ(豆の薄皮)が飛び散り、煙も出ます。換気扇の下か屋外で、火のそばを離れずに行いましょう。

一度自分で焼いてみると、お店の焙煎がどれだけ繊細かがよく分かります。

自家焙煎のお店に行ってみよう

焙煎の面白さをいちばん手軽に味わえるのは、やっぱり自家焙煎のカフェ。焙煎機の前で豆が焼ける香りに包まれながら飲む一杯は格別です。

自家焙煎のお店ならではの楽しみ方

  • 同じ豆の浅煎り・深煎りを飲み比べる
  • 焙煎したての豆を買って帰る
  • 焙煎の日に合わせて訪れ、焼いている様子を見る

どこカフェでは「自家焙煎」「豆販売」のこだわり条件で、近くのお店を絞り込めます。店舗ページでは、そのお店の焙煎機や焙煎のこだわりもチェックできます。

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まとめ

  • 焙煎は10〜20分ほど。1ハゼ・2ハゼの音を合図に、狙った焙煎度合いで火を止める
  • 焙煎機は直火・半熱風・熱風の3タイプ。直火は香ばしく、熱風はすっきりクリアに
  • 同じ機械でも、火の入れ方や煎り止めのタイミングで味が変わる。そこが焙煎士の個性

次にカフェに行ったら、カウンターの奥の焙煎機にも注目してみてください。

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